3月18日(水)の経営者の集いは、高知商工会館にて18:30より、有限会社 古志薬局 代表取締役 古志勝俊氏に「倫理との出会いと人生」というテーマで体験を発表して頂きました。
昭和56年 28歳当時、三菱自動車の営業をしていた父親が「私も退職するから一緒に薬局をやろう」と薬学部に通う古志さんを口説き、内定の決まった就職先も2年間だけ勤めた後に創業。
父親が駅前に持っていた25坪の土地を、ジャスコが主テナントとなるショッピングモールに売却しその施設内でテナントとして開店。父親の営業センスに感心しながらも、ジャスコの集客力により、10年間は順風満帆。
今でも信じられないことですが、閉店間際のお客には、お帰りいただくこともあったと、お客様をお客様と思わない態度で接していたこともあったそうです。しかし、その慢心が幾度の大きな挫折を教えてくれました。
10年後(38歳)の時、近くにサティが開店。大幅な売上減少。ジャスコが急に撤退することとなった。
ショッピングモールの地階には地元スーパーに入っていただき、一階は自分の店舗などが営業。二階以上は立ち入り禁止という状態で1年間続いた。
追い詰められて、チラシ作成からポスティングまで自分でやった。売上も下がった。家族4人とパート従業員2名。売上が下がると夫婦の仲も冷たくなり、酒にも逃げた。
そのころ商業界と倫理法人会に出会い、「お店はお客様のためにある」と原点に帰るべきだと教えられた。
地元スーパー社長の好意によりスーパー駐車場での出店ができた。またも好調な営業が続いた。従業員も増えて来た。しかし、従業員が長続きしない。社員教育の重要性を感じていた。
倫理法人会での学びによって、従業員を認める、ほめる、やりがいを考えるようになった。出店も闇雲にするのではなく、熟慮するように教えられた。活力朝礼も始まり、「職場の教養」を読むことによって従業員の定着率もよくなってきた。
倫理に出会い、父母への親不孝を反省し、墓参りも始めた。お墓参りではお願いではなく、報告や決意を伝えることによって、気持ちも落ち着き、気づきが増えたように思う。
また、「鮮やかに想像し、熱烈に望み、心から信じ、魂をこめた熱意をもって行動すれば、何事も必ず実現する」と教えられ、潜在能力があるのにはじめからあきらめている自分に気づかされ、社員にも夢を語るようになった。
「300坪のドラッグストア」を作りたいという夢を語り、実現したが、昨年8月、2年半で閉店となってしまった。
会社本体も危うい状況となっていた時、倫友に相談したところ、「捨我得全」の話となり、「一切をなげうって、捨ててしまう。地位も、名誉も、財産も、生命も、このとき・・・」と言われ、肩の荷がおりたそうです。閉店したことで、今ここにいられるのですから、と・・・。
また新たな夢の実現に向けて、社員にも倫理法人会でも夢を語り続けていらっしゃいます。
文責 藤田 和彦