3月26日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて「ディズニー・キャスト:喜働~感動を呼ぶサービスとは?」と題しまして高知県倫理法人会広報委員長 村上勝則 ((株)伸光堂)さんにお話をいただきました。
(参加者数17名)
会社は今年で創業33年目、印刷全般と文具、オフィス家具、事務機、そして教材の販売をしています。同業他社との差別化に大事なのはお客様との人間関係、つまりお客様の満足度をどれだけ得ているか。当社も営業の中で、勉強会や各種セミナーに参加したりこの倫理法人会で勉強したりする事ももちろんそうですし、社長以下、社員全員の共通の課題として取り組んでいます。明朗・愛和・喜働のディズニーからも色々と勉強させられました。
東京ディズニーランドは、この100年に1度という世界的大不況でも過去25年で最高という好調を記録してます。多い年では来園者の90パーセントがリピーターという数字も出ています。
ディズニーで一番嬉しそうにしているのはお孫さんと一緒のおじいさんやおばあさん。うちの孫はこんなに喜ぶのか、ここがこんなに好きなのかと実感することと思います。
家族との”良い思い出”というのは、人間にとって大切なことだと思います。お孫さんがどこかで何かの壁に突き当ったり、思い悩む時、お孫さんの心に家族の”良い思い出”があれば、祖先との繋がりや、家族との絆に思い至り、その壁を乗り切る力の支えになることが出来ると思います。
「人には2度の死がある」という言葉があるそうですが、1度目の”死”とはその肉体が亡くなる時、そして2度目の”死”とはその人を知る人がこの世から一人も居なくなる時だそうです。お孫さんが大人になり、あなたに連れられて初めてディズニーに来た時の事、そして楽しかった事をきっと思い出す。その時あなたはまだ2度目の死を迎えてはいないといえます。
またディズニーで働くキャストのうち、2万数千人は学生アルバイト、パートや派遣社員。社員教育は大変なことだと思いますが、キャストとは、一体どういうものかをご説明するのに、簡潔な話があります。
ディズニー最高経営責任者のマイケル・アイズナーの話によると「このパークには従業員は一人いない。何かの役割を演じているという意味で全員をキャストと呼んでいる。着ているものもユニフォームではなく、コスチューム。パークを歩いている時ゴミをみつけたとします。その時私は一人のキャストとしてそのゴミを拾う。そしてそれを誰かキャストが見て、キャストとしてゴミを見つけたら、役職や肩書きなど関係なくキャストは何をするべきかを学んでくれる。更にそれが他のキャストに伝わる。そうした事が、広く、深く、長く伝えられて、いつかそれが、ディズニーの伝統となり、文化となりキャストの身に付いていく。文化の身に付いた人間に何かを教育する必要はありません。
キャストから感動的なサービスを受けたと喜んで下さるなら、あなたにそのチャンスを貰ったとそのキャストはあなたに感謝している筈です。そしてそれは私も含めて他のキャストにとってもまったく同じです。なぜならそれが、ディズニーのキャストだからです。」
ディズニーでは、マニュアルは大事ですが、マニュアルを越えるサービスを求められます。和田方面長の講演の中で「ある中年のご夫婦が亡くなった子どものためのメニューを注文したところキャストは、「3名様、ご案内しますと」子ども用の小さいイスを用意し、テーブルには大人用のランチ2つとミッキーのお子様セットを運んで来た事例をお話いただきました。
また、シンデレラ城ミステリーツアーというアトラクションに届いた「たかし君のお母さんからの手紙」という事例もお話いただきました。
キャストは常に明るく、ゲストに接しいつも明朗です。ゲストに対しては勿論ですが、互いにキャスト同士でも愛和の心を忘れません。そして、喜んで働く、さらには働くことで得る喜び。キャスト達の仕事は常に喜働です。倫理の教えである「明朗・愛和・喜働」を彼らの働きの中で見ることが出来ます。
ディズニーというところは遊園地として遊びに訪れるのはもちろん楽しい事ですが、職場としてみてもキャストたちにとってもディズニーという所は、すばらしい職場であるということが言えると思います。
ディズニーというところ長年見てきて本当に興味の尽きない所です。故ウォルト・ディズニーの言葉に「ディズニーランドは完成しない」という言葉がありますが、ウォルト・ディズニーが言うようにいつまでも完成しないで、これからも進化し続けることでしょう、と結んでいただきました。
村上さんのお話の中に出てくる事例を、詳しくこのホームページに掲載できなくごめんなさい。村上さんのお話を聴かせて頂きながらその事例の状況が鮮明にイメージできました。村上さんはご自身でも本当にディズニーランドに感激され、こうした事例を自分のことばで私たちに伝えていただきました。
文責 藤田 和彦
追伸
スピーチの後、朝食会でのお話です。
村上さんが子どもさんとディズニーランドに行き、ミッキーとまたとない写真を撮る機会を得たそうです。ところがカメラが壊れていて撮れません。ミッキーは、何度もあきらめないで撮りなおすようにジェスチャー(ミッキーはしゃべってはいけないのだそうです)でチャンスをくれたそうですが、結局撮れなかったそうです。そのとき村上さんは「心のフィルムにしっかり刻みました」とミッキーに言ったそうです。
子どもたちが、撮ったはずの写真がないことに気づいた時、村上さんは子どもたちにその時の事情を話したそうです。すると子どもたちも納得してくれたということでした。(深い~)村上さん、またのスピーチを期待しています。ありがとうございました。