モーニングセミナー

5月30日(木)若松和人氏 「静かにチャンスはやってくる」

 5月30日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて朝6:00より、BGM高知(株)代表取締役 若松和人氏より『静かにチャンスはやってくる』と題して講和を行なっていただきました。

 まずは中越会長から「今日は会合があるが、近頃の挨拶は不景気になった、ボーナスが出せなくなったなど、後ろ向きな挨拶が多い。それに比べ、倫理の仲間は前向きで明るい話ばかり。日本創生するには、倫理の仲間を増やすしかなく、自身を持って栄える仲間作りをしたい。」
との挨拶がありました。

20130530a.jpg 続いて若松氏の講話です。最初に若松氏から、「前回の講話では話が途中で終わってしまい、本来の事業の話を聞きたいといった事を聞きましたので、講話させてもらうことになりました。との話がありました。
 若松氏は、満78歳、100歳まで現役で仕事をやるといった気概をもって日々を業務に務められ、高知市倫理法人会の中越会長とは長い付きあいとの事です。

 若松氏は、今まで何度かのチャンスをモノにした、利用できていたが、その中で、現在業績好調の合鴨事業についてのお話を聞かせていただきました。

 約一年前、お付き合いのあった愛媛県でひよこの孵卵業務を行っていた会社から、合鴨の飼育の依頼を受けたが、以前に土佐ジローの飼育で苦労したこともあり、断ることにしましたが、その愛媛県の企業から、一度その合鴨の飼育を依頼している京都の企業の社長に会って欲しいとの話があったようです。若松氏は、一度会うだけとの約束で、その社長に会いましたが、一度会った手前、自身はやる気が無かったとしても、代わりにやってくれる人はいないだろうかと探したそうです。
そこである方と出会い、その方を紹介する事になりましたが、多額の事業資金を負担してほしいとのビジネスルールに添わない依頼があり、その方の調査をしてみると、いろいろと問題のある方という事が分かったようです。その方との商談は終わりにし、事なきを得ましたが、再度、他の方を紹介するわけにいかず、また、そういう方を紹介してしまったという自責の念もあり、結局は自身で依頼を受けることになりました。

20130530b.jpg それから飼育を行うことになりますが、開始当初は少なかったものの、現在では週700羽、時期が変われば900羽~1100羽が入荷します。利益を上げるには、雛から親まで成長させるまでに、いかにロスを無くすかがポイント。土佐ジローの飼育で経験はあったが、合鴨(水鳥)は全く別物で苦労されたそうです。経験を積み重ね、順調に成長できるようになった現在では、芸西村で飼育した合鴨を佐川町まで運び、そこで食肉処理し京都へ発送するといった流れになっているとの事でした。設備を充実させ、従業員を増加することはリスクがありますが、合鴨を買い取ってくれる業者から全羽買取(年間35000羽~40000羽)で契約している事もあり、設備投資等を進められたようです。
 その食肉処理が非常に難しいそうです。合鴨は他の鳥に比べ脱毛処理が難しく、いくつもの工程で処理し、最終は人員での手作業で行われているようです。毛が一羽一本でも残れば、イメージダウンはもちろんのこと、全量がクレーム対象となり、手を抜けない作業とおっしゃっていました。これからの課題は、前例のないほどの飼料高騰。スーパー等の食べ残しから肥料を作り、約2割のコストダウンを図るなどの対応もされており、ピンチに立ち向かうアイデアは素晴らしいと感じました。

 順調に事業が進むなか、若松氏は合鴨の事に興味が湧きます。京都は昔から合鴨を好んで食しており、現在でも昔ながらの料理を提供しています。成分についても興味が湧きましたが、過去に調べた実績がないことから、実費をかけて調べる事になります。コラーゲンは100g中、3200mg、鉄分については鶏の8倍もの高い数字でした。現在、よくメディア等で取り上げられる成分が高く、まさに今の食材と言える結果でした。この結果も後押しし、高知に合鴨の食文化を展開したく、農場直営レストランを計画されているようです。

 若松氏は「チャンスは自分で作る、人脈を作っているとチャンスは突然に湧いてくる。仕事を受ける、また断ることもあるが、何事も真摯に、前向きに取り組む事にしている。」とおっしゃっており、その言葉の通りに活動されているなと感じました。

 チャンスを逃さず掴むことも大事ですが、そのチャンスを作り出すための努力も重要と思いました。大変貴重な講話を聞かせていただき、大変勉強になりました。有難うございました。

分責 濱田 洋光