モーニングセミナー

3月7日(木)三谷郁彦氏 「続けることの大切さ」

3月7日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて朝6:00より、東邦フィルム株式会社 代表取締役社長 三谷郁彦 氏(徳島眉山倫理法人会 相談役)より、『続けることの大切さ』と題して講話を行っていただきました。

 まずは、中越会長より、元大相撲力士の大鵬氏の話を例にして「人生は何が起こるかわかりません。何事にも真摯でないといけません」と挨拶されました。

 そして、三谷氏の講話です。氏は、高知へは20年にわたって仕事で頻繁に訪れていますが、今回初めてゆっくりと過ごせた、とのことでした。

■「母との約束」
 三谷氏のお母様は、大病を患い、入院生活を送っていました。入院中には大きな地震にも遭遇し、一人で怖い思いをさせてしまったこともありました。

 やがて病気が進行し、意識がなくなる直前に、お母様から「ありがとう」と言われたそうです。これまで、そんなことを言われたことが無かったそうです。
 お母様はその後意識がなくなりました。おそらく最後の力を振り絞って、息子に感謝の言葉を伝えたかったのだと思います。亡くなる前には、お母様と「父の面倒をみる」と約束しました。

■「父との約束」
 お母様が亡くなり、一人暮らしとなったお父様に対して、三谷氏は、「毎日、朝一緒にご飯を食べよう」と決めたそうです。
 ご飯はお父様が炊き、料理の得意な三谷氏は味噌汁とおかずを作りました。そしてお兄様の孫とで、毎朝三人でご飯を食べることになり、お母様との約束を守ることができました。

 ある時、お父様が具合が悪くなって、病院に連れて行くと、大病を患っていることが判明。手術をすることになったそうです。7~8時間にわたる大変な手術になることが予想されました。手術前のお父様は「ゴルフはできるんか?」と心配していたそうです。
 そして、いざ手術室に入ると、わずか30分で手術は終了。開始後まもなく手術は不可能だと判断されたそうです。
 「しんどいと思うけど、静養してれば治る」
三谷氏は、病気の事はお父さまには隠そうと決意し、言葉が詰まりそうになりながらも明るくそう言いました。
 看病している間に、三谷氏自身も身体に異常をきたし、血圧が170-110になっていましたが、なんとか病院で治療を受けて命拾いすることができたそうです。
 やがて、お父様は微熱が続き、三谷氏に対して「ありがとう」と言った後に意識が亡くなりました。お父様とは「兄弟仲良く、ご近所さんにも迷惑をかけない」と誓いました。
■続けることの大切さ
 経営の方は順調に伸びていき、建屋を増築するために土地を購入するまでになりました。
 ところが、やっかいなトラブルが発覚しました。一時は心が折れそうになりましたが、しかし「これも一つの縁」と考え直し、社員にも隠すことなく話し、「ご近所様にも迷惑をかけないように」と伝えました。
 そして、実践として近所の掃除を30分行うようになり、それをひたすら続けました。三谷氏は言います。「自分が決めたことを、大切な人と約束したことは守れる、と肌に感じながら、実践を続けること。
皆の心を揺り動かす源はそれであります。」「倫理は、社会にとって大切であると実感しています。これからが修行です。倫友に支えられるのが一番の幸せです。」と述べられ、「この話が皆さまの心に残れば幸いです」と、締めくくって頂きました。

 お母様、お父様との約束を真摯に守り、実践を続けていく三谷氏の講話は、参加された皆さんの心に深く残ったと思います。貴重な体験談をお話し頂きありがとうございます。

(文責 中宏文)