モーニングセミナー

2月21日(木)窪田哲也氏 「私、日本で一番大切にしたい会社におりました」

2月21日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて朝6:00より、(株)アイユート常務取締役 窪田哲也氏(高知市広報委員長)より、『私、日本で一番大切にしたい会社におりました』と題して講話を行っていただきました。

 まずは、中越会長より、「モーニングセミナーは、全国のどこかで開催されていて、全国の倫友が活躍しています。県外に行った際にはぜひ参加してみてください。倫理での学びは、いろんな場面で活かされなければいけません」と力強く挨拶されました。

 続いて、(株)山岸竹材店 山岸龍二氏(高知土佐倫理法人会専任幹事)の会員スピーチです。「一日の業務の中で、一番大切にしているのは朝礼です。会社の進むべき道を伝える唯一の場所です。 活力朝礼を取り入れてから、社員の発言が多くなりました。接客態度や自分をアピールすることにもつながっています」と、朝礼の効果についてお話し頂きました。

 20130221a.jpgそして、窪田氏の講話です。氏は、坂本光司法政大学大学院教授のベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』に掲載されている「富士メガネ」に勤めていました。その時の経験をお話し頂きました。

■入社のきっかけ
 窪田氏は、高校3年生の時に、「これからはパソコンの時代だ。プログラムを学ぼう」と思っていたそうです。
ですが、お父様から、「将来は高知で眼鏡店をするつもりだ」と言われ、思い直して、名古屋の眼鏡専門学校に4年間通いました。
 卒業後は、お父様が常務をやっていた富士メガネに入社しました。

 富士メガネにはいくつかのエピソードがあります。創業者の金井武雄氏は、メガネを掛けている人の顔を見て、少しでも似合わなかったりすると、どうしても気になって仕方がなかったそうです。
 そして、経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏にも手紙を書いています。新幹線開通を祝う大阪駅でのテープカットのテレビ中継。松下氏のメガネがずり落ちていたそうです。金井氏は、それに気付き、メガネがずり下がっているのは不格好であり、海外へも行かれる機会が多い貴方が、そのようなメガネを使用されているのは日本のメガネ業界の恥のように思われるので、どうぞ調整させていただきたい、という内容の手紙を送付しました。
 そして、松下氏を自分の店に連れて行って眼鏡を治したそうです。松下氏は後に著書「折々の記」の中で、「世界一のメガネ屋さんだ」とすっかり感じ入ったと書き残しています。

■職場での体験
 新入社員として配属された先での出来事です。上司から「なにができる?」と聴かれて、できます、と答えたら、「できるわけないじゃないか!」と言われました。できるかどうかをテストすることもなくいきなり、「できるわけない」と言われたことに立腹するも、どうすることもできず、製作部門に配属されました。

 半年後、店頭に出ましたが、ついつい製作での経験を口に出す窪田氏に対して上司から「生意気だ」と言って叱られて、再び製作部門に配属されたそうです。
 入社一年後、技術も身についてきた頃の出来事です。ある上司に、ゴミの分別の間違いを指摘したところ、「俺を誰だと思っている!」と怒鳴られました。規則を破ることに頑張ってもらうより、規則を守ることに頑張ってほしい、と感じたそうです。
 やがて、技術もさらに磨かれ、加工枚数と破損率の少なさではベスト5に入るほどになりました。マネージャーにも昇格できました。
 仕事は順調ではありましたが、ショックなこともありました。先輩が、会社での決定事項を忠実に守って対応したところ、お客様を怒らせてしまい、始末書を書くことになったそうです。
 窪田氏は、忠実に職務を果たした先輩を守れなかった会社に対して強い憤りを感じました。正義感の強い窪田氏らしいエピソードです。

■最後に
 「普段言ってることと、やってることが違うと、部下はやる気を無くします。部下は、上司にこき使われたいと思っていますが、この人にはこき使われたくない、というのもあります。そのことが会社全体での働きにどのくらい影響するのか、という事を考えることが重要です。
 一体感、モチベーションの維持が大事です」と締めくくって頂きました。

 有名な会社での貴重な体験や、また組織の中で気を付けるべき事柄についても聴くことができ、参加された皆さんも納得していました。貴重な体験談をお話し頂きありがとうございます。

(文責 中宏文)