3月17日(木)のモーニングセミナーは、ホテル日航高知旭ロイヤルにて朝6:00より、有限会社ひばり園 代表取締役 重見弥生氏(松山市倫理法人会 相談役)より「私の宝物探し」というテーマで講和を頂きました。
まずは、「久万田会長は、あたたかくて良い会長です」とのお褒めのことばを頂きました。ありがとうございます。
重見氏は、当単会の藤田和彦専任幹事の姉君様です。普及の一環で、弟である藤田氏を入会させた重見氏は、「入会してからは、広い価値観のもとで、姉弟同士で話が出来るようになった」と述べられました。と同時に、やや辛口の叱咤激励も話されました。「利益を得よう、と思っているうちは、利益は得られない。弟にその事を教えてやってほしい」と。私たち自身も深く考えさせられるお言葉でした。
そして本題の「宝物探し」のお話です。氏は、倫理を学ぶ前は、「宝物って何ですか?」と聞かれたら、お金や貴金属などキラキラするものだったそうです。しかし、倫理を学んでからは、「ほんとの宝物というのは、キラキラしてないもの」と思うようになったそうです。今回は、四つの宝物の話をして頂きました。
一つ目は、「倫理の会長になったこと」。
氏は、当初は5年の間、ふた口の会費を払いながら、一度もモーニングセミナーに参加しなかったそうです。しかし、事務長としての辞令交付式当日に「会長をやってくれ」と依頼をされました。それまでモーニングセミナーに、一度しか出席しなかったにもかかわらず、いや、出席しなかったからこそ、会長職の大変さを知らずに、「いいですよ~」と、引き受けてしまいました。またそこには、男気(女気)の強い、氏の、前会長への思いもありました。
かくして、右も左もわからない会長が誕生しました。周囲の方々も皆、心配しておられたそうです。氏は、五単会ある全ての会に出かけていき、大変つらい思いをして、人を知り、決まり事を知り、倫理を学びました。最初は、決して宝物でなかった「会長職」も、今思えば、多くの方々と出会う事ができ、宝物だと気付く事が出来たそうです。
二つ目は、「誹謗中傷の手紙が、たくさん来たこと」。
匿名の誹謗中傷の手紙が、高松や広島から届き、精神的にかなりのダメージをうけました。その時、倫理指導を受けたそうです。「他人を改めさせようとはせず、自分を変えればよい」と。それまでは、誰かわからない相手を憎んでいたそうです。しかし、指導のあと、「相手は、自分のために大事な時間を使って、いろいろ考えてやってくれる」と、考えられるようになりました。そうして、氏が平気になったとたんに、誹謗中傷の手紙は一切来なくなったそうです。この経験が、氏の宝物になりました。
三つ目は、「ある社員の方の退社」です。
当初は、その社員に任せていた任務を自ら行うことになり、大変だったそうです。しかし、その任務を学ぶ事が出来た、と考えられるようになりました。氏は、「会社は、人が出入りするもの。出入りがあることは、悪い事ではない」、と思って、自分に出来ることを行い、その社員が気持よく退社できるようにしたそうです。その経験が、宝物となりました。
四つ目の宝物は、「ある病気になったこと」です。
その病気を告げられた時、一か月間悩んだそうです。家族のこと、仕事の事。その際にもまた指導を受けました。「病気は生活の赤信号。無駄なところを切り取って、ほがらかで豊かなうるおいのある心になれば、肉体は治癒する」。あらゆる治療を行いましたが、手術は行わず、そして指導に従い、ほがらかでいよう、としました。すると、奇跡的に症状が改善されたそうです。氏は、おっしゃいました。「こうしたら病気が治る、等とは言いたくはありませんが、しかし、何かの言葉を信ずる事が大事。それができれば治るし、できなければ病気が再発してしまうのではないか」と。これが、四つ目の宝物です。
重見氏は、毎日20枚の葉書きを書いており、お母様にも感謝を込めて葉書きを書いています。あるとき、「風邪気味だ」と、葉書きに書いたところ、昭和7年生まれで、普段は字をあまり書かないお母様が、以下のような手紙を氏にくれました。
「いつもありがとうございます。これで予防接種を受けなさい。」と始まる手紙と共に、一万円が同封されていました。
「夜は、休む時にマスクをするとラクです。首にタオルも巻いて。また電話をしてください。月曜日はケア(サービス)です。からだに気を付けてね」。
お母様の気持ちが伝わるこの手紙を、宝物として大事に手帖に挟んでるそうです。
最後に、重見氏は「何を宝物にするかは、その人のこころの持ち方だろうと思います。気がつかない宝物が、モーニングセミナーにも会社にもいっぱいあります。最初は、光ってないですが、それがほんとの宝物になると信じて、毎日倫理を学びながら、いつ何が起こっても大丈夫なように生きていってほしいと思います。」と締めくくって頂きました。
講話の最中には、「ありがとうシール」や「葉書きセット」等のお土産を頂きましたが、その際、「人というのは、一番のものを自分のもとに置いておきたいものであるんです。でも一番大事なものをどれだけ差し上げられるか。それが自分自身の値打ちなんです」と仰いました。 人との出会いを、終始一貫して「2000年に一回の出会い」と思い続け、その思いが、あらゆる場面ににじみ出てくる重見氏の所作に、たいへん感動させられました。
(文責 中宏文)