3月11日のモーニングセミナー
会員スピーチは、3月いっぱいで東京に転居される村上勝則さんにごあいさついただきました。
国際宇宙ステーションの日本の実験棟の「希望」という命名について、人間に「希望」を与えたギリシャ神話「パンドラの箱」のお話しを引用され、人にとってとても大切な「希望」を持ち続けたいとごあいさついただきました。これまでも村上さんのお話は含蓄があふれ、いつも感動させていただきました。本当にありがとうございました。これからもお元気で、そして東京でも倫理法人会に入会してご活躍ください。
本日の講話は、「正直者は愛される」と題しまして、(社)倫理研究所の松本真志副方面長にご講話をいただきました。
早寝早起きの大切さを、身をもって体感したという松本さん。先日つい自分に妥協してしまい、日曜日に二度寝をしたところ、その日は活動のリズムが狂い、うっかりバリカンのカートリッジをつけ忘れて普通ならば五分刈りのところをほとんどスキンヘッドのようにしまったそうです。
今、この激動の時代の中で、この時代の潮流に合わせて変わるべきもの、そして変わるべきでないものの2つがあるそうです。
変わらぬものは縦軸に例えられ、変わるべきものがその軸の周りを回っている。このとき、縦軸は会社の事業活動における道理や徳、そしてその周りを旋回している変化していくものが技術や才なのだそうです。
この道理や徳を重んじるという精神が日本の文化には根付いている、と松本さんは語ります。日本において盛んになった「道」の追求。剣道、柔道、空手道など、これらは今のスポーツとはことなり、楽しみを目的とするのではなく、技術洗練の中で人格を磨いていくことが目的であったのだと。
この精神とともに、伝統的な教えや先人達の知見を絶やすことなく伝えていくという心構えが、長い歴史をもつ、数多くの日本企業を支えて来たのだそうです。
これは、日本企業が道理や徳という変わるべきでないものを長年大事にしてきたからに他ならないと松本さんは語ります。
道理や徳を持って真に正しい事を実践する。「真に正しい事」とは己が救われ、他も救われる事であり、無私無欲の境地である。これを実践する正直者は愛され、会社の経営に置き換えるならば事業が長続きするということにつながるのだそうです。
その実践の為に松本さんは、小さな事を徹底し、自ら率先して物事を行い、心に従って行動する、というこの3点を万人幸福の栞から特に抜粋され、奨励されておられました。
生きるか死ぬかの厳しい競争の中で心が荒みがちな現在。松本さんはそこで、日本が本来もっている道理や徳にもとづいた考え方を貫くことの大事さを語っておられました。
倫理に基づいた行動の大切さを再認識させられる、倫理研究所の副方面長である松本さんならではの御講話でした。松本さん、有意義且つ興味深いお話をありがとうございました!(藤田恭平)
今回は、4月から社会人となる藤田恭平(東海澱粉株式会社)さんに、感想を交えてまとめていただきました。次回のモーニングセミナーも御期待ください!
文責 藤田 和彦