2月4日のモーニングセミナー(第328回)は「吟道人生」と題しまして、秀鳳流日本吟詠会総本部宗家:野中秀鳳様にお話をしていただきました。
小児喘息で病弱ながら、歌が大変好きな少年は昭和32年に高知商業高校を卒業。木材店に就職したものの、病弱なため離職。希望も失いかけていたころ、お金の要らない楽しみとしてし続けてきた歌が人生を支えていきます。当時高知在住の田中先生の作る歌を歌い続け、テープコンクールにも挑戦をし続けたそうです。入賞することはなかったそうですが、歌を続けてきたことで、昭和34年に「詩吟」との出会。詩吟の先生から褒めていただきながら、吟詠を続けていくことに勇気が出てきたそうです。昭和41年には、「土佐鶴」のCMソングも歌われたそうです。
しかし詩吟だけでは経済的に苦しく、お仕事として、叔父さまとご一緒にタイガー計算機の代理店としてセールスを開始。片道のガソリン代しか持たずに営業に行くという、決死の覚悟の営業話は、私たちにも学ぶところがとても多いな、と感じました。
昼間仕事、そして夜は詩吟という中で、仕事への集中力も凄まじいものがあったようです。そして昭和54年から詩吟だけで身を立てるようになったそうです。
現在では子ども3人を育てあげ、秀鳳流宗家として、またコロンビア専属歌手として、NHKラジオ「新春吟詠」でも毎年出演されるなど、高知県の文化振興にも深くかかわってこられております。
セミナーの中では、ラジオ録音を拝聴させていただきましたが、そのお声は透き通り、また重厚でした。拝聴しながら、「これが詩吟か!!!」と皆さん感激しておられました。
「吟詠の素材となる詩歌のほとんどは、自然の摂理、人生の真理などを私たちに語りかけており、これらは、現代に生きる私たちの格好の清涼剤として、吟道そのものが「人生の友」ともいわれる所以もここにある」とのことでした。
確かに倫理と相通ずるものであり、野中先生もこの倫理活動をご理解いただき、ご入会いただけたものと思っております。
野中先生の人生のほんの一部を御聞かせいただきましたが、また次回、人生の波乱万丈をご期待申し上げたいと思います。皆さんも是非次回をお聴きのがしないように!!
本当にありがとうございました。
文責 藤田 和彦