11月17日のモーニングセミナーは、「理屈抜きの実践」と題して、(社)倫理研究所 法人局 中国・四国方面長 吉川和義氏にお話をいただきました。
■会長あいさつ
「不景気の今こそ、倫友と協力しあえる仲間づくりをつくりたい」と元気にご挨拶いただきました。
■会員スピーチ 研修副委員長 佐々木浩一氏
現在、佐々木氏は、奥様と一緒に看板のデザインや製作を行う会社を経営されています。
ご両親から、「人前では、自分から先に動きなさい」と教育され、その教えを守って仕事をし、技術を身に付けたそうです。また、趣味の方でも、社交ダンスを行い、今では指導する立場にあるそうです。「人と人との縁で、人生が変わった」と話す佐々木氏は、これからも倫友の輪を広げて、人生の仕事をいろんな方面へつなげたい」と、時間いっぱいの熱弁を頂きました。
■講話 社団法人倫理研究所 法人局 中国・四国方面長 吉川和義氏
今回も吉川和義方面長から、生きるうえで参考になる、多くのお話しを頂きました。
以下、箇条書きにして示したいと思います。
・『夫婦』は、一番身近な存在であり、ついつい甘えてしまうものである。そして、意見の食い違いも起こってくる。その際に相手を変えようとしてはいけない。自分がまず変わり、良くなっていかなければいけない。
・いかなる過去も未来においてはベストである。過去を肯定できなければ、これからの人生で、その過去が自分の足を引っ張ることになる。
・『生活』とは、与えられた『生』を『活かす』ことである。与えられた生を生かし、より良く生きていくための筋道が『倫理』である。
・倫理で学ぶ教えは、自分に適用するべきである。ともすると、倫理のものさしを自分の周囲にあてはめてしまうが、こうなるともはや倫理ではない。倫理を学ばなければ良かった、と言わざるを得なくなる。そうならないためには、倫理の実践が大事である。
・倫理でいうところの『実践』とは、明るく朗らかに、目の前のひとつひとつに取組んでいくことである。そのように実践を行っていくと、周囲に良い事がやってくる。小さな事でもしっかりと実践することが大事である。
以上のような、お話しをされた後、ひとつの事例を話されました。徳島県のある経営者の方の実践例です。
今でこそ、その会社は、業績が安定していますが、今から15~16年前には厳しい時代があったそうです。お父様から引き継いだ会社の経営を立て直そうと、経費の削減に取り組みました。具体的には、取引先への支払いは、1,000円未満は切り捨てて支払ったり、振り込み手数料を差し引いたり、10万円以上の支払いは手形でおこなったり、など。
しかし、その努力は裏目にでて、その事によってだんだんと取引先からの部品の納入が遅くなり、お客様にも迷惑を掛けてしまうことになりました。
そんなとき、わらをもすがる思いで倫理指導を受けました。そこで、指導の先生から「あなたの会社は、社会になくても良い会社だ」と言われたそうです。そして、まずやるべきことは、「あるものをありったけ出してください」と言われました。つまり、取引先への支払い等を優先するように、との事です。
指導を受けた後、その指導を素直に実践して、手形をなくす方向に徐々に変えていったり、振り込み手数料も自分で支払ったりしました。そうしていくうちにだんだんとお客様が増え始め、現在では店舗数も増え、素晴らしい業績となったそうです。
倫理法人会の中で学ぶ7つの原理のひとつ『発顕還元の原理」は、すなわち「出せば入る」ということです。まずは自分のもて力を目一杯発揮する、そうすると、良いものがだんだんと自分にはいってくる、ということだそうです。
とにかく倫理は、理論ではなく実践である。理屈抜きに思い切って実践すれば、必ず変わる、と話す吉川方面長は、
『良い人間のあり方を論じるのは終わりにして、そろそろ良い人間になったらどうか』と、マルクス・アウレリウスの『自省録』の言葉を引用されました。
今回の講話で、あらためて実践の重要性を学びました。ありがとうございます。
(文責 中宏文)